N´Training Academy トレーナーの鈴木です。
ブログ内には4つカテゴリーがありますが、本ブログはそのうちの1つである「休養」についてです。
「休養」においておさえるべきポイントは、
・「組織の健康」(腱、関節、靱帯、筋肉等々)
・栄養
・睡眠
・メンタル
でしたね。
ここのところは「組織の健康」を保つ為に有効な休養メソッドを3つお伝えしてきた上で、前回には
と題しまして、休養メソッドを実際に私が実践することによって得られた効果についてお話致しました。
そんな今回は「栄養」に移りたいところなのですが、栄養については既にブログ内の4つカテゴリーのうちの1つに含まれておりますので、随時そちらをご覧くださいませ。
ということで、今回は「睡眠」について。
まず、率直に感じることとしては、日常生活そしてフィットネスにおいても「睡眠」についてはかなり
「軽視」されているということです。
睡眠時間が短い日があったとしても生活は送れるし、いきなりそれが体調不良に繋がることは少ないことなどが起因しているのでしょう。
「私は昔から睡眠時間は4時間程度で生きてきているから大丈夫」といったお言葉を聞いたりすることもありますが、ただ驚くばかりです。
塵も積もれば山となる。
耐えきれなくなった身体が何らかの形で爆発しなければ良いのですが・・・。
私は真の意味での身体の回復は「睡眠」でしか図れないと思っているくらいです。
試しにいけるところまで徹夜を続けてみてください。
いつかどこかで自分の意思とは反して「コックリ」と眠りにつく時が必ずきます。
当たり前ですが、睡眠は人間にとって絶対的に必要なものなのです。
では、この絶対的に必要な睡眠が損なわれ、いわゆる寝不足が続いたら人間の身体にはどの様な悪影響が及ぶのでしょうか。
以下に挙げてみます。
①脳の老廃物を効率良く排出できない・・・・・脳は日中に比べて睡眠時に脳内の清掃を効率的に行っています。この脳の清掃により、脳内に残っているアミロイドベータやタウタンパクといった老廃物が洗い流され脳を綺麗にしてくれます。
これら2つの物質に聞き覚えのある方は少なくないのではないでしょうか。
そうです、「アルツハイマー型認知症」の発症に関連性が強いとされている代表的な物質です。
②海馬(かいば)を傷付けて記憶力が低下する・・・・・記憶の定着には脳の「海馬」が関与しており、海馬は、寝不足によって傷付き萎縮が起こります。
これもまたお分かりだと思いますが、認知症との関わりがあるのです。
③成長ホルモンが出ずに若さを失う・・・・・全身の細胞を作る命令を出すホルモンである「成長ホルモン」の分泌が滞ります。これは細胞の「再生」が行われないことを意味します。いわゆるこれが「老化」というやつです。
ちなみに、あらゆるトレーニング種目の中でも「スクワット」はこの「成長ホルモン」の分泌を最も高めることができると言われていますね。
④早朝にドーパミンが出ず、やる気が起きない・・・・・しっかり睡眠がとれた脳は、朝目覚めると、クリアな状態で活動を開始できます。この朝の脳を活性化する要因が脳内神経伝達物質「ドーパミン」の分泌です。
ドーパミンは、嬉しい時に脳内で分泌される物質で、やる気を出させ、人を覚醒させます。
⑤脳と身体に炎症を起こす・・・・
睡眠が免疫機能を調節していることは、多くの研究で明らかにされています。
免疫には体内に入ってくる細菌やウイルスを倒す役割がありますが、この免疫の力は睡眠によって強化され、維持されています。「寝不足の時に風邪をひきやすくなる」のはこのためです。
そして、免疫の問題は、他の重大な問題にも繋がっています。それは「炎症」です。炎症反応は、ウイルスや細菌と戦っている時や細胞を傷付けたりした時、細胞に強いストレスがかかった時にも起きます。そして炎症の中には、長く続く慢性のものもあります。寝不足は、免疫機能が低下しこの慢性の炎症を引き起こすのです。
こういった炎症反応は、脳でも起こりアルツハイマー型認知症の発症に関与していると考えられています。
と、ざっと5つほど挙げてみましたが、寝不足が及ぼす悪影響のポイントは単に「身体がだるい」とか「あくびが増えて集中力が欠如する」といった分かりやすいものばかりではなく、「脳へのダメージが大きい」ということです。
で、睡眠の話題になると必ず取り上げられるのが、その総時間。
これは、多くの研究報告をまとめるならば、6時間未満に加え5時間以下であると前述したリスクはかなり高まり、理想的な時間は7時間(少なくても6時間)というのが見解のようです。
ここで、もうひとつ大事なことがあるのですが、多ければ多いほど良いというわけではなく、9時間に達すると逆に前述のリスクも含め、身体の状態が悪い方に傾くそうですから注意が必要ですね。
ほんと人間の身体は難しい・・・。
「トレーニング」や「栄養」「サプリメント」に必要以上に関心を示す人は多いですが、「睡眠」はそれらの土台ともいえるわけです。
今一度見直すことにより、皆様の毎日がより快適になることを願っております。
ではまた。