N´TrainingAcademyトレーナーの鈴木です。
一時の連日の猛暑日に比べると幾分かましになったとはいえ、まだまだ暑い日が続きますが、皆様お元気でしょうか。
さて、皆様ご存知の通り、現在の日本は超がつく高齢化社会です。
参考までに2017年の厚生労働省の発表では男性の平均寿命は80.98歳、女性は87.14歳となっております。
DATAとして見ると年々上がるその数字には改めて驚きを感じますが、道行く人達を見ていても頷ける所ではありますね。
但し、これはあくまで平均寿命であって健康寿命ではありません。
平均寿命と健康寿命の間には10年位の差があると考えれば、男性およそ70歳、女性およそ75歳を過ぎた辺りからは警戒域とも言え、この時期の心身の状態をより良くする為にフィットネスを続けて行くと言っても過言ではありません。
そして、前期高齢者(65~74歳)に比べ後期高齢者(75歳以上)になるとぐんと増える機能低下が、時として周囲をも巻き込み対処に困難を極める「認知症」です。
認知症の定義とは厚生労働省から引用させて頂くと、
「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」
のこと。
いわゆる、記憶力・注意力・言語機能・身に付けた一連の動作を行う機能・目や耳などの五感を通じて周りの状況を把握する機能などが極端な低下を示すということです。
認知症については100%の予防・解決策は実はまだ確立されてはいないのですが、そうは言っても日本そして世界でも有力な研究報告がアップデートされ続けています。
よって、有力な対策法に今から取り組んでおけば認知症を予防できる可能性も高くなるのです。
認知症の主な原因には大きく2つ、脳の神経細胞が死んでしまう「アルツハイマー型認知症」と脳の血管が破れたり詰まったりする「脳血管性認知症」があります。
およそ前者が60%、後者が15%程です。
両者共に脳の血液量・血流が大きく関わっている事はお分かりいただけると思いますが、そもそも脳自体は体積が小さいわりに、全身の15%~20%もの血液量が行き渡る器官なのです。
これは、身体の司令塔として機能するにはそれだけエネルギーを必要とするということの表れでもありますね。
認知症の方が周囲から見ても分かり易く機能低下する「記憶」を例に挙げれば、言語理解なども含めその機能は脳の側頭葉の「海馬」という器官がその役割を担っています。そして、この海馬は虚血、即ち血流が滞る事によって非常に脆弱になる事が分かっているのです。
よって脳への血流量・そして脳内の血液循環を良好に保っておこく事はとても重要になってきますね。
では脳の血流を良好に保つには何を心掛ければよいか、幾つかポイントを挙げたいと思います。
①年を重ねても歩行速度を落とさない。
‥‥日常の歩行速度の能力が時速
2.9㌔を下回ると認知症のリスクが高まることが分かっています。これ以上速ければ速いほどリスクは下がりますが、自然体で歩くということを考えるとそんなに速いスピードは現実的ではありませんね。
ここで大事なのは転倒しない正しい歩行動作を維持できる範囲でのスピードということになります。
トレーニングとして別途時間を定期的に作り、そこでは意識的に速いスピードでウォーキングを行う事を心掛け、自然体での歩行スピード向上に繋げていきましょう。
②良く噛む・・・これは主に食事の時の口腔機能についてです。意外に思われるかもしれませんが、良く噛むと脳の血流量は上がるのです。
手の平を両ほほの横辺りにそれぞれあてて前歯を何回か噛み締めるのと奥歯を何回か噛み締めるのとで、どちらがほほの横の筋肉がギュッとなるかを感じてみて下さい。
奥歯の方がそう感じませんかね。
よって、奥歯でしっかり噛みながら食事を摂ると、脳への血流が増すと言う訳です。
加齢と共に消化の良いものばかりを摂ることが如何に身体の為にならないかをご理解いただけると思います。
③色々な人と接する・・・・いくら定期的に正しいウォーキングを行い、その時は脳への血液循環が良くなったとしても、それ以外でずっと一人で生活していては脳は活性化されません。活性化されないということはやはり血流は滞る事になってしまいます。
様々な方とお話しできるように、複数のコミュニティを持っておくことが大事になってきます。
新しい刺激は脳への血液循環を良くする事に繋がります。
④最後に・・・・ウォーキングを始めとする有酸素運動だけでなく、筋力トレーニングの様な無酸素運動を組み合わせると、より認知症のリスクを下げられることが分かっています。やはり、ここでも筋力トレーニングは有効手段になりますね。
以上、認知症予防に焦点を当てて本日はお話を致しましたが、私も含め人生最後まで本当の意味で「健康」でいられるよう、①から④を実践して参りましょう!
ではまた。